Dentistは公共事業の請負人! Dental Artistは個性の開花!
2011年2月11日 日本歯科評論掲載
Dental Artistの登場
その中で、何を創造していけるのか、たとえばダイレクトぽんディングはmわれわれの臨床的個性を最大限に引き出してくれるテクニックとして、単に修復としての接着性や強度の向上、あるいは審美的な色彩の向上に留まらず、その多様性は咬合治療や歯周治療、そして矯正治療へと応用範囲を広げている。 さらにダイレクトぽんディングは、われわれに潜在的な多くの創造性を与え、既存の治療計画に斬新な組み合わせが生まれたり、MIでは不可能とされた処置を可能にしたりもする。たとえば、摩耗菌をそのままで矯正するか、途中でダイレクトポンディングによる修復を段階的に加えながら矯正するのかとでは、おのずと矯正のゴールは違ってくる。 歯科界は今、従来の修復や補綴といった回復的歯科医療から、予防的ケアあるいは学術的アプローチといった、創造的歯科医療へとパラダイムシフトしている。またマイクロスコープの普及により、より精度の高い治療やケアが可能になり、MIに基づいた治療がさらに現実味を帯びてきている。 そんな中でブラジルのDr.Newton Fahl.Jr.は、これまで口腔外でしか実現できなかった精密な作業をすべて口腔内で行えるようその技法をまとめ上げ、コンポジットレジンの特性を最大限に引き出している。そしてその表現方法は、われわれにDental Artistへの道を切り開いてくれている。彼の臨床はダイレクトポンディングに特化した専門医である。しかし、単なる修復の専門医ではない。補綴治療、修復治療、歯周病治療、矯正治療......といった各専門分野において、ダイレクトポンディングを盾に自らの個性を開花する治療を縦横無尽に進めている。つまり、専門を超えた専門性を確立し、患者の感性を受けながら、自らもその感性を活かして自由に治療をこなしているのである。 われわれの自己表現はダイレクトポンディングに限らない。矯正であったり講演であったり、人それぞれである。彼のように自らの思いを歯科医療の世界で自己表現している"Dentist"は、もはや公共事業の枠を通り越している。まさに個性を開花させた"Dental Artist"である。