デュボワのパブリックエデュケーション活動

『歯科』からはじまる『医科』 --進化論に基づく医療理念--

2014年2月26日

-私たちホモ・サピエンスの登場は12月31日午後11時37分-

 20万年前、私たちの種族、ホモ・サピエンスの誕生は、たった23分前です。 アフリカで生まれたホモ・サピエンスは、6万年前にアフリカを旅立ちました。いわゆる出アフリカです。私たちのミトコンドリアのDNAを辿っていくとアフリカの1人の女性に辿り着きます。この女性のミトコンドリアはミトコンドリアイブと名付けられていますが、この時代に人類は世界中に移動を始めたのです。 紫外線の多い赤道直下で進化した人類の祖先は紫外線をビタミンDの生成に活用していました。紫外線は浴びすぎると活性酸素を作ったり、皮膚がんになったりしますが、私たちが健康に生きるためには欠かせない栄養素です。ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収を助け、骨の正常な形成、筋肉や筋力の維持、免疫力の向上などには欠かせません。つまりがんの予防にも一役かっているのです。 アフリカを出て、北方のヨーロッパに進んだ人類は紫外線の量を調整するメラニンの色素の量を減らし白人になり、効率よく紫外線を吸収してビタミンDを生成できるように適応していきます。こうした危険ながらもからだに必要な紫外線のバランスをとるための人類がとった戦略が、皮膚の色を変えることだったのです。しかし、この戦略が「地球上を自由に行き来して住む場所も自由に選べる現代人」の落とし穴になったのです。肌の色を黒くメラニン色素で覆った人類が紫外線の少ない北方で暮らした場合、紫外線の取り込む量が極端に減ってしまい、ビタミンDの生成が出来ず、免疫力の低下を来たし、がんの予防が出来なかったりしていることもわかってきました。

-農耕の始まりが招いた糖尿病-

 生命は「食」と「性」をもってその種を継承していきます。私たちホモ・サピエンスは、20万年前にアフリカで誕生して以来1万年前までの長い間ずっと狩猟採集生活をしてきました。動物の肉と野草が中心で、タンパク質を中心とした栄養摂取により、肉体を維持し、そして進化してきました。 1万年前になると、定住して農耕や牧畜を始めるようになりました。稲作を始めるようになってからは、主食はタンパク質から炭水化物にとって変わりました。 19万年の間、私たちのタンパク質中心に栄養を摂取して進化してきたからだは、1万年前からタンパク質不足になってしまいました。分子栄養学的に現代人のからだの栄養状態をみると、そのほとんどがタンパク質不足であり、タンパク質が足らないことにより他の栄養素もうまく吸収できなかったり、合成できなかったりして、現代版栄養失調状態に陥って様々な病気の原因になってしまっています。 一方で、炭水化物は様々な糖質や酒類を生産し、現代人をメタボリックシンドロームへと導いて、糖尿病などを引き起こしています。糖尿病に至らないまでも、糖尿病の予備軍として血糖値の乱高下の原因になり、それを修正しようとする働きは原因不明の歯ぎしりや食いしばりをも誘発させ歯にひびが入ったり、欠けたりしているのではないかと指摘されています。


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